風博士のコラム
  
世界の風力発電
風力発電と局地風
ナンセンの北極探検船と風力発電

荒川 正一
アラカワ ショウイチ

気象大学校助教授、気象研究所主任研究官、広島気象台長、東京家政大学教授を経て、現在CRCソリューションズ顧問。理学博士。
岡田賞受賞(1999年)
主な著書「局地風のいろいろ」2000 成山堂


風力発電と局地風

世界の風力発電のところで、太平洋高気圧などアクション・センターと呼ばれる高気圧・低気圧の効果を述べた。 しかし太平洋高気圧、シベリア高気圧に影響される日本の土地ならどこでも適地かと言うとそうではない。 もっと小規模の、数kmから100kmくらいのスケールの地形が効いてくる。

▼風が収束するような小スケールの地形

1 水平収束をおこすもの
  • 山の肩
  • 地峡
2. 鉛直収束をおこすもの
  • 山の頂
  • 尾根

図1 円柱の周りの流れ。ポテンシャル流

これらは物体の周りの流れが物体の肩のところで強められるのと同じ現象で、気象学では水平収束で風が強まるのを肩効果(shoulder effect)と呼んでいる。 図1は円柱の周りの流れの写真である。また、図2は日高しも風(北海道)という暴風が吹いたときの流線図である。風が日高山脈の南線に収束して強風を作っている様子が分る。


図2 日高しも風の時の地上風と流線図(1958年9月27日9時)

実際の地形を見て、どこが風が強いか、どこが風力発電の適地かを当てることは難しい。 そこで CRCでは、日本全国を対象に1km格子で年平均風速マップを作った。これは毎日気象庁が出している数値予報データをベースとして、CRCが開発したメソ気象モデルLOCALSを1年分運用して走らせて求めたものである。このマップから局地的な強風域すなわち風力発電の適地を探すことが出来るだろう。

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