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本格的な風力発電時代を迎え

風況シミュレーションで風力発電事業設計の精度向上

電源開発株式会社
URL:http://www.jpower.co.jp/

 

電源開発株式会社
 プロフィール

 

苫前ウィンビラの大型風車
苫前ウィンビラの大型風車

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赤津地区の観測位置比較
赤津地区の観測位置比較
(拡大図はこちらにあります)

風速比較
高度20mにおける観測結果とシミュレーションの風速比較
(拡大図はこちらにあります)


 新エネルギーが注目される中、わが国でも風力発電が本格的に導入されるようになってきた。1952年に主として国の出資により設立された電源開発(株)は、在来型の発電に加え、廃棄物発電や風力発電などの新エネルギー開発にも積極的に取り組んでいる。特に近年、風力発電の売電が認められたことから、電源開発では大規模な風力発電所の建設を推進している。


年々倍増の勢いの風力発電

 わが国の風力発電は、発電設備容量で1999年度末に7万kW弱、2000年度末10万kW、2001年度末には約18万kWと急速に導入が進められている。

 エネルギー資源に乏しいわが国にあって、風力発電は枯渇する心配がなく、二酸化炭素などを排出しない環境に優しいエネルギーであること、立案から4〜5年と短期間で稼働できることなどから21世紀のエネルギー資源として大きな期待が寄せられている。反面、エネルギー密度が低いため火力や原子力と同等の電力量を得るためには広大な面積を要すること、風というバラツキの多いエネルギー源のために発生電力の計画的調整が困難なことなどの弱点がある。

 こうした中で大規模風力発電所を着々と建設しているのが電源開発だ。同社が出資し、2000年12月から全機運転を開始した北海道苫前町の苫前ウィンビラ発電所は、出力30,600kW、年間発生電力量は約5,900万kWhと一般家庭約17,000世帯分にあたる電力を供給できる。また、鳥海山の山麓、秋田県仁賀保町に本年12月営業運転開始予定で建設が進められている仁賀保高原風力発電所も、出力24,750kW、年間発生電力量約5,100万kWhと一般家庭約15,000世帯分にあたる電力の供給ができるという大規模なものである。

内陸部に国内最大規模の風力発電所を計画

 風力発電を行うには、発電に適した風が吹くことが必要である。風力発電に用いられる風車は、風速2.5〜4mで起動し、12〜13mで定格出力が得られることから、この程度の風が安定して得られる場所が望ましい。

 しかし、発電所の適地となると、風の問題の他にも一定の敷地の確保や送電線が近くにあること、資材の運搬が比較的容易にできることなどさまざまな制約がある。こうしたことから、これまでわが国の風力発電所の多くは海岸近くに建設されてきた。しかしながら、沿岸部の風車適地が限られてきたことから、内陸部に用地を求めざるを得なくなってきている。

 そこで電源開発では、次の大規模風力発電所の建設地として、内陸部である福島県猪苗代湖近くの会津布引山に近い赤津地区を候補地としてピックアップした。この発電所は風車40〜50台、出力5万kWと国内最大規模のものを予定、2003年の稼働を目指し計画が着々と進行している。

 風力発電所の設計で重要となるのが、平年値における正確な年間平均風速の値である。内陸部では沿岸部と異なり、山や植生などによって風は多様に変化する。そのため50m程度風車位置を移動しただけで、年間平均風速は大幅に変わる。年による変動も大きい。事業性を検討するには、計画予定地点に多数の風況観測装置を設置し、複数年、観測を実施しなければならない。そこで事業性の見極めを迅速かつ正確に行うため、電源開発は風況シミュレーションを導入することにした。

複雑な風の動きをシミュレーションで掴む

 いままでも風車を建設する際、簡単なモデルによるシミュレーションは行われてきた。しかし、従来は沿岸部という比較的安定した風が得られるエリアだったことから簡単なモデルで済んだが、赤津地区という内陸部ではより詳細なシミュレーションを行う必要に迫られた。同社新事業開発部自然エネルギー事業グループの露木和彦氏は、「CTCは従来より全国の風力発電適地の解析を行っており、日本のような複雑な地形においても、充分な精度が期待できるので、CTCへお願いすることにしました」とCTCへ風況シミュレーションを委託したいきさつを語る。

 CTCは自社開発の局地気象評価予測システム「LOCALS」をベースに、東北電力(株)と共同で風況シミュレーション手法の開発を行っている。その手法は気象庁提供のGPVデータを基に、LOCALSを用いて数10mから数kmメッシュ毎の風速と10分毎の風速を重ね合わせて解析し、その結果から年間発電量を推定するというものである。従来、内陸部の風況シミュレーションでは誤差が大きいといわれていたが、赤津地区で過去5ヶ月にわたる風速、風向のシミュレーションを行ったところ実測値とほぼ一致した。

 「内陸部は季節により風況が大きく変動しますが、CTCのシミュレーションにより、容易に詳細かつ長期間の風況を把握できたため、より精度の高い風力発電事業の設計が行えました」と露木氏はその効果を語る。

 売電が一部自由化され他の民間企業も風力発電に参入する中、コスト競争力をつけることが今まで以上に求められている。こうした中で、精緻なシミュレーションを活用していくことは、コスト競争力を高める極めて強力な手段と言えよう。


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